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山口健児展 —めをとじてー
数年前、合唱団でフォーレの「レクイエム」を歌った時のことだ、指導の先生から「ここは天上にさす光のような響きをください」と言われ、みんなで声を合わせ目指した。
練習場で何度も繰り返し練習しているうちに、響きが少し美しいものに変わってきた。その瞬間、響きの残る教会の天井に少し光がさしてきた気がした。「天上にさす光のような響き」のイメージを絵で表せたら——、
そんな思いがそのとき生まれた。
目指す光は、「うちにさす光」かもしれないと……、そしてその光は、目を閉じても見える光ではないかと思った。閉じた目蓋の裏に見える色や明るさというものではなく、それは目の見える人にも見えない人にも感じられる光。光の響き。
今一度、眼を閉じてそんな光について考えてみよう