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都市での生活は
合理化という名のもとに
言葉にならない私の何かを
忘れさせていく。
しかし水面を見つめている時、
或いは画面に対峙した時、像を結ぶ
日常の体感から生じた
言葉にならない違和感が
あるべき何かを引き戻してくれるように感じた。
あるべき何かを探し、
水との対話を求め、
都市や郊外の水際を回り
水面を見つめて来た。
なぜか私が育った村に似た
上流域をせせらぎ
美しく賑やかに流れる水よりも
都市部を緩やかに
たゆたうように流れる水に、
違和感だけではない
言葉にならない強いなにかを感じた。
都会の雑踏にその音をかき消され
静かにたゆたう川は、
その水面に何を映じてくれているのだろうか、
もう少し深く心を浸し見つめ
描き留めてゆこうと思った。
山口 健児