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展示にあたって
都市での生活は合理化という名のもとに
言葉にならない私の何かを忘れさせていく。
しかし、水面を見つめている時、
或いは画面に対峙した時、
像を結ぶ日常の体感から生じた
言葉にならない違和感が
あるべき何かを引き戻してくれるように感じた。
あるべき何かを探し、川の水面・水際を巡り見つめ
描き思索する日々がこの3年間続いた。
ふと、水から生まれ水と共に生きる直立する水、
そんな言葉が頭をよぎった。
何故かそこに人のありか在処を感じ、
水と自分との境界について
もっと深く考えてみたくなった。
体温に近い暖かい水の中にあるとき、
人は自分ではないその暖かみを持つ
水のなかの一部となる感を受ける。
うちなる水と外なる水の境界
その不思議な違和感の在りかを
描くことにより追ってみたいと思った。
2005.06.13 山口 健児