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一昨年、合唱団で
フォーレの「レクイエム」を歌った時のことだ。
指導の先生から
「ここは天上にさす光のような響きをください」と
言われ、みんなで声を合わせ目指した。
練習場で何度も繰り返し練習しているうちに、
響きが少し美しいものに変わってきた。
その瞬間、響きの残る教会の天井に
少し光がさしてきた気がした。
「天上にさす光のような響き」のイメージを
絵で表せたら、
そんな思いが生まれた。
それ以前も、絵を描く上で、
光はいつも注意を払う対象ではあったが、
そのものに目を向けることはなかった。
まずは身近なところからと、
雲の間からさす光や、木漏れ日など
目についた光をみつめた。
それは、あの光ではないように思えた。
それでは、どこに?
もしかしたら私の探し求める光は、
うちにさすものなのかもしれない。
今まで求め表してきた表現から
色彩をなくし、黒地に白で描く方法で模索を始めた。
日々の言葉より、
山口 健児