山口健児 KENJI YAMAGUCHI

Exhibition

  • 山口健児展 -都市・水を巡る思索-
  • 2005 ちばぎんアートギャラリー /日本橋

展示に向けての言葉

 

・・・・
都市の傍らに身を置き
水際をめぐり、画面と対峙する
日々をはじめ3年の月日が流れた
−水を巡る思索−という言葉をつけての展示も
今回で5回目となった。
水を巡るさまざまな思い、
故郷を想起させる山間の川から始まり
次第に都市の川や水辺へと
見つめる視点が移行した。
興味はいつしか水自体よりも
みずから想起する
別の何かを追うようになってきたようだ。
表層から水底までの多層、深い川
湧水のように美しい透明な水
澱んで半透明な存在にもなりうる。
そこに言葉にならない何かが
存在するのではないかと感じた
思い返せば私は
水を媒介にして
岩を砕いた絵の具を使って画面に定着させている。
みずから離れてしまった人である自分にとり
忘れ去られてしまった何かを探り
体感するのに相応しいのかもしれない
人の忘れてしまった何かを
失ってしまったなにかを
描くことによって
違和感の在る限り探っていこう
そう強く思った

 

—水を巡る思索— 日々の言葉より、
山口 健児
2005.11.

山口健児展 -都市・水を巡る思索-
山口健児展 -都市・水を巡る思索- 山口健児展 -都市・水を巡る思索-
山口健児展 -都市・水を巡る思索- 山口健児展 -都市・水を巡る思索-